現場の声

先日、ある園の園長先生からご連絡をいただきました。
以前、私の研修を受けてくださって以来、園をあげて子育て支援に力を入れてこられている方です。


そこで「担当者にもよるとは思うのですが」と前置きをされた上で、自治体のあり方に疑問を持つとおっしゃるのです。
市内に子育て支援施設が○カ所ある。
利用者が○○人になった。
だからうちの市は、支援が行き届いていると言い切ることに違和感を感じるというのです。
実態を何も知らないし、知ろうとしていないと。


母親に寄り添い、知恵を届け、自信を失い涙を流す母親に向き合い「大丈夫、ママなら必ず幸せに育てていけるから」と勇気づけながらも、年々家族が抱える問題が大きくなっているのを感じている先生は、潜在的な問題を共有できないもどかしさを感じていらっしゃるようでした。


「担当者による」とおっしゃったのは、確かにそうだなと私も思い当たります。
目的をどこに据えていて、問題意識をどこまで持てるかは、人によるんですよね。


本当に知りたいのか。
変えたいと思っているのか。
変えられると思っているのか。

まさかとは思うけど
あまり騒ぎ立てないで欲しい。
事を荒立てて仕事を増やさないで欲しい。
なあんて思っている人は、まさかいないだろうなと思いたい。


この日本で、虐待の数が増加し続けている事実。
それが19万3780件(速報値、前年度比21.2%増)に上っていて、1990年度の統計開始以来29年連続で最多を更新していて、 前年度からの増加数も3万3942件で過去最多を記録していることに、私たちはもっと心が痛まないといけないのです。
担当者であれば、その先頭に立っていて欲しい。
自ら現場の最前線に立つ園長先生のお気持ちが痛いほど伝わってきました。


うまくいかないのには理由があるのです。
その理由はとても簡単な事で、やり方が合っていない。
やり方を間違えてしまうのは、見立てを間違えるからなのです。


子育て支援は、虐待防止の観点で言えば、大きく間違え続けているのです。
通報を受けていたのに防げなかったという報道がされないようにと、保身にばかり関心を向ければ、SOSの声は消されてしまいます。
なんとかしたい。
なんとかしなければ。
今日も、そんな思いを仲間と語り合っています。(鶯)





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